Lucy-seven’s blog

( ˙꒳​˙ )。

④。




僕は、やっと分かったんだ。
竹筒が誰かに壊されて、お金が
なくなったって。

体中が きゅんて 痛くなった。
こんなことは、初めてだよ、僕。


僕は、ノラ猫。時間なら たっぷりある。

竹筒が、気になって 次の日 行ってみた。


悪さをする人間を見つけたら、
引っ掻いてやろうと思ってね。


そしたら、みいちゃんが バケツの
隣に座ってた。

暫くして、それに気付いた
おばぁちゃんが、隣に座った。


僕は 慌てて隠れたよ。



「みいちゃん、いいんだよ。
ありがとう」って、
おばぁちゃんは、みいちゃんの
頭を撫でてた。


そしたら、うつむいたままの
みいちゃんが
小さな声で


「…おばぁちゃん…
お金…ちゃんと…入れてない人…
いたよ…サカキ売るの…やめないの?」
って 。


そしたら、おばぁちゃんは
「みいちゃん…おばぁちゃんに、いつも
ありがとうって 言ってくれる人が
沢山いるんだよ。
お墓の近くに、
お供えするサカキがあったら、
いつでも お参り出来るでしょ?
いいんだよ、これで」


って、にっこり言った。



みいちゃんは、顔をあげて
恥ずかしそうに ニコって笑ってた。



それから、みいちゃんは、
おばぁちゃんの藁で束ねたサカキを
運ぶお手伝いをするようになったよ。


寒い冬でも、手を真っ赤にして
サカキを束ねる おばぁちゃん。


それを見る度に、僕は
体中が きゅんて 痛くなった。



あれから、大人になった みいちゃんが、
あの頃のみいちゃんに そっくりな
女の子を連れて、おばぁちゃんのお家に
たまに やってくる。


その日は、上から
たくさんの笑い声が聞こえる。



そして、帰りは必ず おばぁちゃんの
あの手を握って 2人は帰る。



僕は、今もノラ猫。
だけど、あったかい おばぁちゃんの
お家の下で産まれて良かったなって
思う。





追伸、
僕の体の色ね…
お魚の青から変わったと思うんだ。


おばぁちゃんとね、僕は
亡くなった
おじいちやんを想って
よく 星空を見てるから…
きっとね、星色になったと思うよ。



おわり





⌄̈⃝みい☆。.:*・゜