②
あれは、蝉が、騒ぐ 静かな
夏の日だった。
僕は、喉がカラカラで
水を探していたんだ。
そしたらね、おばぁちゃんのお家の
お風呂場で、ちゃぷちゃぷ音が
したの。聞いたことのない
パチンパチンて 音と一緒に。
僕は、気付かれないように
水を飲もうと そぉっと
覗きこんだんだ。
そしたらね、いつもあまり話さない
みいちゃんが、壊れた竹筒を持って
おばぁちゃんに 話しかけてた。
「…ねぇ、おばぁちゃん…いいの?
…警察に…言わないの?…」
パチン…パチン…ちゃぷちゃぷ…
おばぁちゃんは、またニコニコして
みいちゃんに 答えてた。
「みいちゃん、いいんだよ。
神様は、ちゃんと見てるからね」
パチンパチン…ちゃぷちゃぷ…